バレルロールとエルロンロール

|  ブルーインパルス雑学  |
 ブルーインパルスの課目には、「ロール」という言葉が付いた課目が多く存在します。
 ロール(Roll)は横転を意味しますが、ブルーインパルスのロール課目は大きく二種類のロールのテクニックを使って作られています。バレルロール(Barrel Roll)は直訳すると樽横転(笑)。樽の内側の面を滑るように回転していくことをバレルロールといいます。エルロンロール(Aileron Roll)は補助翼横転。これでは意味不明です(笑)。エルロンは飛行機の傾きを決める主翼後縁についた可動翼です。飛行機を傾けると傾けた方向に曲がっていきますが、車のハンドルと違って、傾けたままにするとくるくると横転し続けてしまいます。どちらもロールなのですが、課目名としては同じロールとして呼ばれていますので、理解には若干の知識が必要となりますね。
 バレルロールを使っている課目には、ロールオンテイクオフ、ラインアブレストロールなどがあります。エルロンロールを使っている課目には、4ポイントロール、インバーテッド&コンティニュアスロール、スローロール、ローリングコンバットピッチなどがあります。そして、この違いを一目瞭然に見られるのがデルタロール&ボントンロールです。6機のデルタ編隊が大きくバレルロールした後、間隔を開いて一斉にエルロンロールするのが、デルタロール&ボントンロールです(写真添付)。
 ブルーインパルスのアクロバット飛行は、この説明以上に奥の深い世界です。6番機のスローロールは、一気にエルロンロールするのと違い、ゆっくりとしたエルロンロールでの姿勢を制御するために、エルロンの操作だけでなく、他の可動翼も同時に操作する難しい課目と言われています。ハーフスローロールは、スローロールでゆっくりと半回転分エルロンロールする5番機の外側を、6番機がバレルロールでバレルロールではない、つまり、樽の内側を飛行機の腹で滑るように回るのではなく、5番機の主翼の線(横軸)に合わせて、目方の針が上がるように半横転するのです。これは内外の航空関係者に航空自衛隊の戦闘機パイロットの実力を示すために作られた課目と言われています。
 バレルロール、それとここでは説明しませんでしたがループ(宙返り)、この組み合わせはジェットコースターにありますね。エルロンロールのような動きも一回転くらいならあった気がします。ジェットコースターを思い出してみてください。
 以前の記事「戦技とブルーインパルス(その2、バレルロール、コンバットピッチ)」も参考にしてみてください。
 最近難しい話題が多いような気もしますので、掲示板やコメントで、難しすぎるとかこんな事が知りたいとか、どんどんリクエストください。

<Imachan>