動画撮影(その2、望遠or広角)

|  撮影TIPS  |
 皆さんは航空機を動画撮影されるときに、ズームをどのようにお使いでしょうか?
 迫力があるのは、フレーム眼一杯に航空機が入っている映像でしょう。現在のビデオカメラでは、光学ズームをフルに使えば、写真の35mmフィルム換算で400mm程度の性能があります。航空祭会場からだと、大型の輸送機なら主翼部分から前のみ、戦闘機やブルーなら機体をフレーム一杯に収めることが出来ます。一方で、高速で飛行する航空機をフレーム内に綺麗に収め続けるのは至難の業です。航空機の動きにカメラが追随出来ず、フレームアウトする場合も有ります。また、航空機の位置がずれ始めてから慌てて戻そうとしてもスムースに修正できず、かえってフレーム内の航空機が上下左右に暴れた映像になってしまいます。こんな時は、機体のすべてを収めようとせず、流れに合わせて機体の一部をフレームに入れ続けるように辛抱すると、機体が遠ざかるにつれてフレーム内に収まり、結果、安定した映像に見えます。コンマ何秒間の瞬間的な判断が勝負の分かれ目で、慌てない方が良い結果につながる場合が多いです。
 一方、広角では望遠のような心配はありません。広角のメリットは周囲の雰囲気を同時に撮り込めることです。ブルーインパルスを撮るなら、スモークの流れを連続した時間経緯で収められるメリットがあります。広角での注意は、水平を維持すること、中心となる被写体のフレーム内への置き方、脇役となる情景の選択等でしょう。ブルーインパルスのラインアブレストロールやデルタループ/ロールなどの大空を一杯に使った雄大な課目は、編隊をアップで捕らえたい衝動を抑えて、広角で撮影するとたいへん綺麗ですし、背景や地上展示機で、どの航空祭かが分かります。これは一眼レフカメラでも同じですね。また、戦闘機の360°ターン(横旋回)などでは、広角では飛行高度や速度が把握できる映像になります。360°ターンの半周は望遠、残り半周は広角など、流れの中で望遠/広角を組み合わせても楽しめます。ただし、ズームは広角→望遠、望遠→広角の一方通行が基本です。ズームが往復した映像は、安定性に欠け、撮影意図が曖昧になる場合があります。
<動画撮影(その3 動画撮影での立ち位置)につづく>

<Studio-T>