展開とその日数

|  ブルーインパルス雑学  |
 展開とは、部隊が目的地へ移動して、そこで任務を遂行することを言います。ブルーインパルスすなわち第11飛行隊全体が航空祭などに遠征することを展開といい、その日数は目的地や展示内容によって決定されます。
 ブルーインパルスがアクロバット飛行を行う場合には、増槽タンクという主翼下にぶら下げる追加の燃料タンクを着けません。これをクリーン形態といいます。また、ブルーインパルス仕様のT-4は、機体本体の燃料タンクの一部のスペースを、スモークオイルを搭載するためのタンクに当てています。このため、ノーマルT-4に比べ、航続距離が短いという制約がつきます。アクロバット飛行をするための展開では、クリーン形態で移動するため、航続距離が短いので、遠方への展開は、中継基地(主に浜松基地)を経由して展開することになります。また航過飛行のための展開で増槽タンクをつけていたとしても、西に向かうときには偏西風に逆らって飛行するため、中継基地を経由することがほとんどです。増槽タンクを付けている場合には、行きに中継をはさんだ目的地でも、帰りは一気に松島へ帰ることもあります。
 松島から直接展開するのは、北は千歳、三沢、西は百里、入間、小松、岐阜、浜松、といった範囲になります。それ以西の芦屋、築城、新田原、等の航空祭には、中継基地経由で展開することになります。直接展開できる航空祭では土曜日の朝移動し、午後に事前訓練(予行)、日曜日航空祭が終わってから松島に帰る一泊二日の展開となります。中継が入る場合には金曜日に移動し、土曜日に事前訓練を行い、日曜日の航空祭後もその展開先に留まり、月曜日に松島に戻る3泊4日になります。また、天候によっては、移動日を一日早めたり、中継基地まで一日早く木曜日行って、金曜日にそこから展開先まで移動するなどの行程が組まれることも、まれにあるようです。
 2005年ツアーでは、土曜日に松島から小松へ展開する途中に佐渡上空で航過飛行を行い、日曜日に小松航空祭でアクロを行いました。移動兼航過飛行では増槽タンクを付けていましたが、アクロではそれを外し、月曜日にはタンクを付けて松島へ帰投しました。めずらしい2泊3日のケースです。このような展示構成によっても、日数が変わることがあります。

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